カウセリングルームをどうやって選ぶ?

相変わらず酷暑は続き、お盆休みは台風でメタメタにされました。お天気ばかりはどうにもなりません。無理せず、辛抱強く、秋風を待ちましょう。

さて、皆さんにとってカウンセリングは身近な存在でしょうか?それとも馴染みのないことでしょうか?いずれ、思い切ってカウンセリングを受けてみよう、と決心した時、一体どうやって自分に合ったカウンセリングルームを見つければ良いのでしょうか。とても悩ましい問題です。どう探せば良いのか?何を基準に選べば良いのか?

ワナクリニックは30年以上前からずっとカウンセリング専門クリニックとして機能してきました。当時、仙台ではカウンセリングルーム自体が珍しく、ほとんど選択肢もなかったかと思います。

しかし、昨今、カウンセリングルームの数は激増!誰かの紹介でもない限り、ほとんどの場合、まずはネット上の情報を検索することと思います。その中で、「良さそう」「自分に合っていそう」と思ったところにアクセスしますよね。残念ながら、ワナは広告宣伝費をほぼかけておりませんので、かなり後の方に出てきますが(笑)

そんな中でもワナを選択してくださる方々がいらっしゃることは、本当にありがたいことです。
ただ、カウンセリング自体、多くの費用と時間を必要とするものです。「本当に自分に合っているのか」は、よくよく検討してみる必要があると思います。

そのために、ワナでは初回来室後、まずは皆さんに「オリエンテーショングループ」への参加をお奨めすることが一般的です。もちろん、強制ではありません。

「オリエンテーショングループ」は、ワナクリニック院長で東北会病院理事長の精神科医・石川達先生が、皆さんに、まずは、ワナクリニックの基本的な考え方をお伝えするプログラムです。「自分の症状や悩みをどう理解するか」そして「どう悩むか」。
石川先生は、いわば悩みの水先案内人です。
ワナクリニックでは、自分の現在の悩みと、これまでのこと(主に家族関係)をつなげて、それぞれが、「自分の物語」を紡ぐことをとても大切にしています。

例えば、「人といると、人の顔色ばかり覗ってしまう。人目が気になり、自分の考えを言うことができない。なんで自分はこうなのか」という悩み。これは今始まったことではないはずです。
それはいつから?「人の顔色を窺う」ことはどこで学んだの?ちょっと自分の歴史を振り返ってみると、おそらく多くの場合、原家族(自分が生まれ育った家庭)の記憶に立ち戻るのではないでしょうか?これは犯人探しや原因特定といった単純な話ではないのです。
人生は思うようにならないことの連続です。その中で、大人も子供も皆それぞれに必死に生きてきたわけです。しかしその中で、最も傷ついていたのは子供。本来は一番大切にされるべきだった子供が多くのトラウマ(心の傷)にさらされ、誰にも気づかれず、放置されてきたかもしれません。
一方、子供時代の体験はその人の一生に亘り影響を及ぼし続けるインパクトを持ちます。子供時代は長く、その中で子供は、生きる術をどんどん脳の中に刻み込んでいくのですから。

そのようなメカニズムを、ベテラン精神科医が、分かりやすく、丁寧に、そして優しく労いをこめて、皆さんにお話しするのがオリエンテーショングループです。

そこで聞いたお話を「なるほどね」という方は、どうぞ、ワナクリニックでのカウンセリングを継続してみてください。「この考え方は自分には合わないな」と思った方は、もしかすると別のカウンセリングルームを探してみた方が良いかもしれません。

いずれ、「悩んで苦しい、思い切って専門家の支援を受けたい」と勇気をもって決心した皆さんが、「ああ、カウンセリングを受けてよかった」と実感できることが、私たちの喜びです。その場所がワナであれ、別のカウンセリングルームであれ、「悩む力」を持つ皆さんが、その力を適切に伸ばし、成長していっていただくことが、私達カウンセラーの願いです。